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「天上天下唯我独尊」と筆文字アートで描いてみたら「花祭り」について知りたくなった件

私はそんなに敬虔な仏教徒ではないですが、日本の美しい季節の行事を筆文字アートでしたためることがあるため、行事の内容について調べてみることがあります。

4月になると桜の花を描く筆文字アートは多いが、お釈迦様の誕生日を書くって人は敬虔な仏教徒じゃないとしないかも・・・

そしてせっかく書くならば、意味ぐらい知っておこうということで

今回は誰もが知っているお釈迦様の、しかも誕生日について調べてみた

この日は仏教三大行事のひとつ「花祭り」って言うんだって

「花祭り」は仏教三大行事のひとつです。
というと三大行事ってなに?
と疑問に思われますが、簡単に言いますと
仏教の開祖であるお釈迦様が
生まれた日、悟りを開いた日、お亡くなりになった日に行われる行事が
仏教三大行事です。

生まれた日は灌仏会(かんぶつえ、4月8日)
悟りを開いた日は成道会(じょうどうえ、12月8日)
お亡くなりになった日は涅槃会(ねはんえ、2月15日)

には、仏教のお寺では法会が執り行われるとか
まあ
一般市民には、あまりなじみがないのでいいとして、
その生まれた日が「花祭り」と呼ばれていて
いわゆるお釈迦様の誕生日です。

となると仏教四大聖地についても知りたくなっちゃった

お釈迦様が生まれたとされるルンビニは
現在ネパールという国にあり、世界文化遺産に登録されています。
仏教四大聖地のひとつです。

ちなみに四大聖地とは
仏教における4つの聖地のこと。

お釈迦様の生涯の重要な事跡に関わる場所で、
涅槃経によれば入滅(死)の直前に自ら指定したと言われています・

ルンビニー - 生誕所。
ブッダガヤ - 成道(悟り)所。
サールナート - 初転法輪(初説法)所。
クシーナガラ - 涅槃(入滅)所。

ルンビニ以外は全て現在のインドにあります。
インドにはその他八大聖地などもありますが
それはまた、お知らせする機会があるのかないのか?

やっと「花祭り」の由来どよ

生まれた日がなぜ「花祭り」と呼ばれるのかというと
釈迦様が生まれたのはインド北部にあるルンビニという町で、
生まれた日には、とても多くの花々が咲き乱れていたからだということです。



日本では現在毎年4月8日がお釈迦様の誕生日ですが
世界各国当時の4月8日は旧暦のため、移動日となっていて毎年4月8日前後となるようです。

この花祭りは中国から伝わった行事ですが
日本書紀には
聖徳太子が活躍していた推古天皇時代
606年4月8日に元興寺で催されたという記述があるそうです。
いわゆる7世紀に伝わって今でも祝われているということです。

ちなみに
元興寺は奈良に現存するお寺で
平成10年(1998)、「古都奈良の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録されております。

お釈迦様の誕生日が今でもお祝いされるのは

キリスト教のイエス・キリスト
イスラム教のアラー
の誕生日をお祝いするのと同じですよね。

「花祭り」の日にお釈迦様が行ったことは?
だんだん本題に近づいてきた!!

お釈迦様という人は
紀元前7世紀~紀元前5世紀あたりの実在した人物で(?)

この生まれた日に
なんと、すっくと立ちあがり、7歩歩いて
右手で天を差し(人差し指らしい)、左手で地をさし(やはり人差し指)、
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」
と言ったという伝説があります。

これが有名で
私も幸筆(さちふで)で描きましたが、各地に像や絵などにされています。


本題の天上天下唯我独尊の意味

いろいろな解釈があるようですが
私が一番好きな解釈は

「世界にいる人々は、人間として生まれ、一人一人が尊い存在である」

です。
その他
「天の上にも天の下にもこの広い大宇宙で、今、私が生まれてきたのは、この幸せになるためであった」
「ただ我々人間にのみなしうる、たった一つの尊い目的(独尊)がある」
のような意味もあります。


お釈迦様は決して
自分が一番偉いんだそ!!
とは言っておりませんので、お気を付けください。


「花祭り」ではどんなことをする?

お釈迦様は生まれたときに、
9匹の竜が現れました。この竜たちは、天から甘露の雨を降らせ、
お釈迦様は甘露の雨を産湯にしました。
この伝説から

生まれた日の像に甘茶をかける風習があります。
像には竹でできた柄杓を使って甘茶をかけます。


日本では江戸時代までは五香水と呼ばれる
香りの良い5つの水を使っていましたが、
江戸時代以降は甘茶をかけるようになりました。

そのため、花祭りは健康を願う祭りとして
赤ちゃんの頭を甘茶の葉でこすると
元気で丈夫に育つと言われています。

赤ちゃんを持つご家庭は
ぜひこの日に「甘茶」の葉で
赤ちゃんの頭をこすってください。

甘茶はスーパーで売っていない場合があるため
アマゾンや楽天などの通販であらかじめ頼んでおくことをお勧めします。

日本では長野県が国内総出荷量の80%を占めていますので
長野産がおすすめです。

花祭りで使用する「甘茶」について

甘茶とはユキノシタ科のヤマアジサイ変種(ガクアジサイ)のような花を咲かせます。花の色は、紫色やピンク、白、藍色です。
お茶に使われるのは「小甘茶」の葉部分で、
そのままで食べると苦いのですが、発酵させると砂糖の100〜1000倍の甘さになります。
かつのて砂糖がない時代には甘味料として、
また漢方薬の苦み消しや民間療法などに使われていました。

中国では「思いやりのある政治を行うと、天から甘い露が降る」
インドでは「飲むと不老不死になれる」などという言い伝えがあります。

また、江戸時代にはお寺からもらってきた甘茶で墨をすって、
「ちはやぶる卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」という呪文を紙に書き、戸口に逆さに貼れば、
「悪い虫が家に入らない」と各地で言われるようになりました。
このような伝説から、
甘茶を使って墨をすり習字をすると上達するとか、
害虫よけのおまじないになる、という話もあります。

どこまで信じるといいのでしょうか?

「花祭り」では絶対にかかせない白い象

お釈迦様の赤ちゃん像ともに
花祭りと言えば、必ず白い象の像があります。
インドなどの聖地では像ではなくて本物の白い象が出てくるようです。

この「白い象」は
お釈迦様の生母である摩耶夫人が
6本の牙を持つ白い象が体内に入る夢を見て
お釈迦様を身ごもったことに由来しています。

このことから、「白い象がお釈迦様を運んできた」と信じられているため、
お釈迦様の誕生祭である花祭りには、必ず白い象(白い象をかたどった像)が登場するようになったとされています。

寺院によって登場の仕方はさまざまで、
大きな白い象の背中の上に花御堂を乗せていたり、
お釈迦様が白い象の背中に乗っていたりします。

象は、畏敬の対象として仏教では大切にされてきました。
そのなかでも、色素が欠乏して白色で生まれた象は、非常に神聖な生き物とされています。

象の牙が6本ある意味合いについては、
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの修行徳目を表していると言い伝えられています。
波羅蜜とは「これができれば完璧」といった意味合いであり、
悟りを得るために完成させておかねばならない6つの修行のことです。

つまり象が6本の牙を持っていたということは、
六波羅蜜を完成させた完璧な存在であったということです。


すごい象さんですよね。

「花祭り」まとめ

ということで
今回は「花祭り」という
ちょっと地味なお祭りについて
お話させていただきましたが、
こんなことも日本の伝統として
覚えておくと、
四季がいろいろと楽しめるのではないでしょうか?

また四季に関して
珍しかったり、筆文字アートにしてみたら
ちょっといい題材がありましたら
ご紹介させていただきますので

楽しみにお待ちください



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投稿者プロフィール

幸筆 好美
幸筆 好美旅する筆文字アーティスト
旅行会社の添乗員をしながら、幸筆認定講師として教室を開校。本業で手に入れた世界中の珍味をおすそわけしながら、面白い体験談などを交えつつ筆文字を教えています。静岡県出身の幸筆(さちふで)という筆文字を、日本だけでなく世界に広げるのが目標です。

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